その昔、私がまだ営業職として駆け出しだった頃の話。もともとクルマが好きで、教育実習へ行った経験からか、接客業のアルバイトが長かったせいか、お客さまの前で堂々と話すことは苦になりませんでした。商品知識も身に着けているという自負もり、とにかく自身だけは誰よりも持っていたと思います。それが私の商談時の強みであったことは間違いありません。
そして性格的に曲がったことを強要されるのが嫌いで、理不尽なことを言われると、誰彼構わず鋭いナイフのように反論を言いまくっていました。そしてそれはお客さまに対しても…。もちろんそんな時に成約など望めるわけもなく。
当時は店長から、「お前は議論で勝って商売で負けている」と言われましたが、まさにその通り。正論を振りかざし、相手に勝つことで仕事をやり切ったようにさえ思えていた時代。しかし、販売実績はそれでは伸びていかず、店長から言われた「議論で勝って商売で負ける」状況を何とかしないと…と思い始めます。
そこで導き出した結論が、正義・正論は振りかざすものではなく相手に納得していただくものであるということ。そのためには迎合するわけではないですが、時に遠回りすることもありますし壮大な周囲へのネゴシエーションが必要なこともあります。
いずれにしても、相手に自分の正義の下に従っていただきたければ、理論武装で正面突破するのではなく、周囲を固めることが大切である、と学んだことを思い出します。20代後半の血気盛んな時期でした。
思い当たる方、ご参考に…。
文責:大久保