私が最初に憧れたクルマは、友人のお父さんが乗っていた、スカイラインGT、通称スカG。
次に憧れたのがBMW2002、左右に大きな丸いライトが配されて、少しローダウンのスタイルに小学4年生の少年はしびれ切っていました。こちらも友人のお父さんのクルマでした。
時は過ぎ、高校生になって思わぬ形でその日が来ました。父親がクルマのはるか後ろから、「ここまでバックでクルマを動かしてこい」と免許を持っていない私に叫ぶのです。
「えっ?」と聞きなおす私に、「できんだろ、いつも見てんだから」と。助手席にいた私はすかさず運転席に移り、クラッチを踏みエンジンをかけてシフトレバーを動かし…ガチンと大きな音を立ててギヤはバックに入る。ゆっくりとクラッチをつなぐとスムーズに12メートルの巨体が動き始めました。12メートル。私が初めて運転したクルマは、10トン車の大型トラックだったのでした。日野スーパードルフィン305馬力が動いた。感動。
当時私の父は運送店を経営していて、夏休みに仕事を手伝いに行った私と父が車庫に帰ってきたときのこと。一応公道ではないので、免許は要らない?ということで…。
その後、高校3年生で初めてトラック以外のクルマを動かしました。スズキ・エブリイバン。これも車庫の中をぐるぐると。その後、免許を取って初めて公道を走ったのもこのクルマ。まさに私の原点。
時が経ち現在。先日、ある仕事の依頼で購入したのが、現在のスズキ・エブリイバン。安全性能はかなり向上していますが、基本的なコンセプトは同じ、どことなく懐かしい。やはり当時乗っていたクルマは懐かしく体が覚えているものです。
数年前に、以前の会社の台所事情等諸々訳あって乗ることになった大型車も、全然違和感なく、普通に公道を走ることが出来ました。ちなみに今では大型車の免許も持っていますので、ご心配なく。
文責:大久保