最近読んだ本の話です。
『「やりがいのある仕事」という幻想』(森博嗣 著、朝日新書)という、いささかショッキングなタイトルの本。
4月から6月にかけては例年新入社員研修を行うことが多く、仕事の本質といった話もします。そんな時に目に止まったこの本、いきなり真逆を言われたようで、とても刺激的であり衝撃的でした。
著書の文中の「やりがいのある仕事」に対するある種の反論は、目的を持たずに流されて仕事をすることに警鐘を鳴らしているように感じます。もっと真面目に楽しく人生を考えて、しっかりとやろうぜと言いたくなるような…。
仕事とは、ある時点で明確な目標を持って取り組むべきだと思います。新入社員ですぐに目標を持てとは言いませんが、2~3年後には目的や目標が明確にあるのと、それがないのとでは大きな違いが出ます。
仕事をする中で、「自分が目指すものが見えてきた」という感じでも良いと思います。会社は学校ではないという人もいらっしゃいますが、今は昔とは違います。少々キツい言い方をすれば、満ち足りた状態でぬくぬくと育った若い人たちに、いきなり人生の目標を語らせても、あまり意味を成しません。
「やりがい」は、日々働く中で小さな目標を立ててそれを達成し続けることで感じることが出来ます。加えて言えば、目標や目的は時間や成長と共に変わることもあります。すぐに手の届くのもどうかと思いますが、だからと言って全くの夢物語のようでは、いつになっても月を眺めるようなものです。何とかすれば手が届く目標を設定して、着実に進んでいることを実感できる小さな目標(マイルストーン)を設定してクリアし、目標に到達できるようにしたいものです。仕事とは、目標(実務では計画という)を達成することです。
文責:大久保